企業所得税(法人税) - 2

会計基準との関係

損金算入が認められるには、会計上も損金算入が必要であり、費用の認識に
ついても発生主義による継続の処理が必要


益金項目

(1) 収益の認識については原則として発生主義
(2) 割賦販売については、割賦基準によることも認められている
(3) 建築業の1年を超える工事については、工事進行基準によることも認めている
(4) 大型プラント建設・造船の1 年を超える工事については、工事進行基準によることも認めている
(5) 外国投資企業が中国国内の他の企業に投資して受け取った配当金は、原則として全額課税対象
(6) (5)の配当が課税対象にしない場合は、その投資から生じた費用又は損失も損金算入できない


損金項目

(1) 原価、費用、損失の認識については原則として発生主義
(2) 損金不算入の費用
 a.固定資産の建築・購入の支出
 b.無形資産の購入の支出
 c.資本の利息
 d.所得税・地方税
 e.罰金等
 f.納付遅延利息
 g.保険で求償される自然災害等の損失
 i.本店のロイヤリティー
 j.生産活動・営業活動に関係のない費用
 k.提携企業に対するマネジメントフィー


(3) 貸倒損失の処理
 a.損金算入には一定の要件を満たし、かつ税務当局の承認が必要
 b.貸倒損失の要件
   イ.破産により、回収不能
   ロ.債務者が死亡し、遺産により返済を受けたあとも回収不能の場合
   ハ.債務者が期限を過ぎても返済義務を履行せず、
     2年経過後も引き続き回収不能の場合
 c.貸倒引当金は、貸し付け及びリース業を営むものだけが
   税務当局の承認を受けて計上できる


(4) 減価償却
 a.有形固定資産の減価償却費は会計上費用計上を条件として損金計上できる
 b.少額(2,000 元以下)の資産購入は全額損金算入
 c.耐用年数が2 年以下の資産は取得時に全額損金算入
 d.原則として定額法
 e.定額法以外の選択は税務当局の承認が必要
 f.残存価額は原則として10%
 g.申請を行い税務当局が承認すれば残存価額を10%未満とすることができる場合がある


(5) 交際費・寄付金
 a.外国投資企業の製造、営業行為に関連して発生する交際費は、
   信頼性の高い記録又は帳票により実証しなければならず、
   控除についてはそれぞれの限度が設けられている

 ・ 当期の純売上が15 百万元以下の場合には、純売上の0.5%を超えてはならない
 ・ 15 百万元を超える部分については、0.3%を超えてはならない
 ・ 年間の営業所得が5 百万元以下の場合には、総営業所得の1%超えてはならない
 ・ また、5 百万元を超える部分については、0.5%を超えてはならない


(6) 棚卸資産の評価
 a.評価基準は原価法が原則
 b.先入先出法・移動平均法・総平均法及び後入先出法等が認められている
 c.評価方法は毎期継続する必要があり、変更する場合は事業年度開始前に
   税務当局に届け承認が必要


事業損失の取扱

欠損金の繰越
 a.欠損金は次年度以降5 年間繰越すことが認められる
 b.欠損金の繰戻しは認められない


外国税額控除

(1) 中国国内に本店を置く外国投資企業には、外国税額控除制度が適用され、
  国外源泉所得に対する納付済みの所得税を控除することができる
(2) 控除限度額は、
(国内及び国外所得の税法により計算した納税額の総計)×(国外源泉所得)÷(全世界所得)により計算される
(3) 控除限度額を超えて外国税額がある場合には、5 年間の繰越が認められている
(4) 中国は大部分の主要国と租税条約を締結している


移転価格税制

1991 年の法改正に移転価格税制がとられた関連関係にある企業間の取引が独立企業間の取引に基づかない場合は税務機関が合理的な調整をする権限を認めている。
全体として日本の制度とほぼ同様である。
独立企業間の取引とは、関連関係にない企業間で公平な取引価格と営業慣行によって行われた取引をいう。
(1) 物品の売買取引
(2) 利息授受取引
(3) 役務提供取引
(4) 財産譲渡取引